特別講演2

中小企業基盤整備機構 九州本部 企業支援課長
三棹 浅黄 様
「中小機構による中小企業向けIT・DX関連施策のご紹介」
初めまして、皆様こんにちは。ご紹介にあずかりました、中小企業基盤整備機構の三棹(みさお)と申します。「なぜこのタイトルなんだろう」と思われた方も多いかと思います。今日ご参加の皆様の中には、中小企業だけでなく大企業の方もかなり多くいらっしゃるのではないでしょうか。
私ども中小企業基盤整備機構は、中小企業を主な対象とする支援機関ですが、皆様のお客様やクライアントの中にも中小企業の方が多くいらっしゃると思います。そうした方々のために、国がどのようなIT施策・DX施策を進めているかを少しご紹介できればと思い、本日はお話をさせていただきます。
まず「中小機構」についてですが、初めてお聞きになる方もいらっしゃると思いますので、改めてご紹介いたします。正式名称は「中小企業基盤整備機構」で、経済産業省および中小企業庁の管轄下にある公的支援機関です。対象は全国約340万社の中小企業で、九州では約33万社ほどが存在します。これらすべての企業が私たちの支援対象です。
全国に10の地域本部があり、私たちは「九州本部」として沖縄を含む8県を担当しています。九州本部は博多の呉服町に拠点を置き、そこでさまざまな企業支援を行っています。
中小機構では、企業の成長ステージに応じて多様な支援メニューを提供しています。たとえば創業支援(インキュベーションやファンド支援)、販路開拓支援(海外展開を含む)、事業再生・事業承継支援などです。
私は「企業支援課」に所属しており、企業の個別課題に直接対応するチームです。経営課題に対してハンズオンで支援を行うほか、人材育成を目的とした「中小企業大学校」の研修事業も運営しています。
支援メニューは無料から有料まで幅広く用意しています。無料メニューは1回から利用可能で、有料メニューでは1年程度の伴走支援を行う制度もあります。本日はIT関連企業様が多いということで、DXやITに関する施策を中心にお話しします。
まず「経営相談」についてです。ITに限らず、経営戦略・生産管理・広報など、企業経営に関する幅広い課題に対応しています。
この中でも特にITに特化した窓口が「IT経営サポートセンター」です。IT専門家による無料相談をオンラインで何度でも受けられます(1回60分)。相談内容は、販売管理ソフトの選定、シフト管理ツールの比較、DX化の進め方など多岐にわたります。特徴は、単なるツール紹介ではなく、まず経営課題を整理・見える化した上で最適なITツールを提案する点です。
中小機構が運営する「ココカラアプリ」には、課題別に活用できるITツールが多数掲載されています。相談予約からZoom発行まで、すべてWeb上で完結します。
【事例紹介】
ある美容業の企業様から「勤怠管理アプリを見直したい」との相談がありました。ヒアリングを重ね、シフト管理・人事評価などの目的を整理した結果、「ジョブカン」が最適と判断し導入を支援しました。導入時の旧システムからの切り替えや従業員教育も併せてサポートしました。
無料メニューには、専門家が企業を訪問して助言する「事業再構築相談助言」もあります。また、製造業向けには「生産工程スマート化診断」を実施しており、IoT化・自動化を検討する企業の現場を診断します。数回の無料訪問で、情報と物の流れを整理した診断レポートを作成し、効率化のポイントを提案します。
無料支援だけでは解決が難しい場合、長期的な「伴走支援(ハンズオン支援)」を行います。専門家派遣1回あたり1万7,500円で、年間24回程度の支援を行うケースが多く、総額40~50万円ほどのご負担で実施可能です。経営戦略・会計管理・人事労務・マーケティングなど幅広く対応していますが、近年はDX・IT活用による生産性向上の支援が急増しています。
ハンズオン支援では、単なるコンサルティングではなく、企業の課題や目的を徹底的に調査し、支援計画書を作成します。ゴールを明確に定め、1年などの期間内で成果を出すプロジェクト型支援を行っています。九州では年間約60件のプロジェクトを実施しており、製造業が中心ですが、IT化・DX推進の案件も増加しています。
【事例紹介】
食品製造卸業の企業様では、基幹システムのリプレースを支援しました。経営課題を分析し、ITマップを作成して課題とシステムを紐付け、要件定義まで伴走しました。結果として、企業自身が仕様書を作成できるレベルに成長し、生産性向上を実現しました。
最後に、補助金についてです。中小機構では補助金事務局も運営しており、IT関連で活用できる補助金が多数あります。たとえば「成長加速化補助金」(上限5億円)や「省力化投資補助金」、「ものづくり補助金」などです。これらはシステム導入にも利用可能です。
「補助金活用ナビ」というサイトで検索できますので、QRコードからアクセスしてご確認ください。大分県では、さらに上乗せ補助金もありますので、ぜひ活用いただければと思います。
少し駆け足になりましたが、中小機構ではIT施策だけでなく、経営課題全般のご支援を行っています。本日の資料は後ほど事務局よりPDFでお送りいたしますので、ぜひご覧ください。
短い時間でしたが、ご清聴ありがとうございました。
