「県内企業のECの現状と今後の動向について」
EC部会
EC部会メンバー紹介
部会長 時永 一生 (株式会社富士通大分ソフトウェアラボラトリ システムインテグレーション部)
副会長 石井 尊成 (株式会社オーイーシー オープン営業部 ネットワークシステム課)
荒金 博 (大分交通株式会社 企画開発部)
亀井 進一 (三井造船システム技研株式会社 九州事業所 開発部)
藤原 剛 (太平工業株式会社大分支店 電気計装部 制御システム課)
はじめに
インターネットの普及に伴い日本でもECの普及がより現実的なものとなってきました。
さらにこの不況の中、ECは電話とパソコンを用意し、インターネットに接続するだけという少ないコストで、場所と時間を超越してビジネスを行う事が出来る新しいビジネスチャンスとして、大変注目されています。
当部会ではECの現状、将来について調査、討議を行いその成果を本報告書としてまとめました。
なお、本報告書作成にあたり、大分県情報サービス産業協会会員各社をはじめ、アンケートに御協力を頂きました県内企業の皆様に厚くお礼申し上げます。
本報告書を今後の協会の活動資料として、県内企業の皆様には今後の経営における参考資料として頂ければ幸いです。
1−1 ECの定義
当部会ではまず「ECとは?」について調査を行いました。
現在、誰でも手軽にインターネットに接続することが出来、電子メールの利用や、ホームページの開設が出来る様になり ました。これにより、インターネットは企業の情報発信の重要なアイテムとなり、個人も情報を受け取るだけでなく気軽に 発信することが出来るようになりました。このような時代の流れを受けてか最近、企業VS企業のEC、企業VS個人のECを よく耳にするようになりました。また、ECを手軽に実現するための商品の発売が相次いでいます。
当部会では、今後いままで以上の速さで浸透していくと思われる企業VS企業のECと企業VS個人のECの二つを取り上げ て討議、検討を行うこととしました。
このようにECは販売側、購入側双方に多くのメリットをもたらします。
(2)デメリット(問題点)
情報の漏洩は今の暗号化技術でほぼ防ぐことが出来ます。しかしハッカー等に対抗するために常に最新の技術導入が不可欠です。消費者保護と取引ルールが未確立はEcom(電子商取引実証推進協議会)による施策の検討や、政府間による検討(OECD(経済協力開発機構)、WTO(世界貿易機関)、APEC(アジア太平洋経済協力会議))が行われています。このような活動により、近い将来解決されるでしょう。また自らが率先してECに取り組み、消費者保護、取引のルールを決めていくのもデメリット回避の一策ではないでしょうか。
このようにECのデメリットは近い将来全て解決されるでしょう。
ECはメリットが非常に多く魅力あるものです。その魅力はデメリットを計算にいれても計り知れないものがあります。そのデメリットも自らの努力で回避することが出来るのでデメリットとは言えないかもしれません。

(2)企業VS個人
企業VS個人のECは次の4つの要素から構成されています。
1)ブラウザ
ホームページを表示し、消費者に商店システムとの対話手段を提供します。
2)ショッピングモール
ネット上の商店街で、消費者と複数の商店システムの接続を手助けします。
3)商店システム
商店システムはホームページを通じて商品情報や消費者からの注文受付、購買処理を行います。
4)バンキングシステム
消費者、商店が取引を行っている金融機関からなり、取引の確認、支払いの認証を行い、消費者から商店への支払 いをサポートします。
電子クレジットカードを使った時の取引の流れを示します。(図3)
1)消費者はショッピングモールへアクセスし、商店を選びます。
2)ショッピングモールは商店システムへリンクします。
3)商店システムは消費者へホームページで商品情報を提供します。
4)消費者は商品を選び、電子クレジットカードで支払いを行います。
5)商店は電子クレジットカードを発行したカード会社に問い合わせを行い、消費者から支払いを受ける権利(与信) を得ます。*
6)商店システムは消費者に支払いが確認出来た事を連絡します。
7)商店は商品を消費者に発送します。
8)商店は商店と取引をしている銀行に売り掛けを計上し、売上票を送ります。*
9)商店と取引している銀行はカード会社に売上票を送り支払いを得ます。*
10)カード会社は消費者に代金の引き落としを通知します。*
11)カード会社は消費者の銀行口座から代金を引き落とします。*
*が文末についている処理がバンキングシステムで行われる処理です。
取引の流れは企業VS企業、企業VS個人のどちらのECも現状の取引の流れとほとんど変わらないことが判ります。大きく異なるのは情報が全てデジタルデータで、ほとんどの処理において人の手を介さずに取引が進んでいくことです。
またアメリカでは企業VS企業において取引額で20兆円、商取引全体における2.5%がECで行われています。企業VS個人は2兆5500億円、0.4%となっており、日本はアメリカに3年遅れていると言われています。
次に取り組み事例を紹介します。(表1)
(表1)ECの取り組み事例
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販売 |
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日本でのECを使った 注文率80% |
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企業VS企業 |
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商用ではありませんがアメリカのボストン市では税金や罰金をECを使って納付することが出来、1ヶ月あたり罰金納付が1000件、消費税納付が6000件あるそうです。
(ボストン市民57万5000人、市内へ通勤する人50万人が利用対象です。)
有効回答数は54社 (約25%の回答率)
うちEC実施企業は9社(17%)
EC未実施は45社(83%)でした。
(1)全体の回答から
全体への設問「ECを知っていますか?」への回答は“よく知っている”と“知っている”を加えると約8割とほとん どの企業がECを知っていることがわかります。(図1)


(2)EC実施企業からの回答内容






後述の3−4で詳しく述べますが、ECが普及すると社会構造が大きく変わると予想されています。将来はECにむく業種、むかない業種といった区切りがなくなり全ての企業がECを導入しなければ生き残れません。企業は早急にECの導入(検討)、インフラの整備を行う必要があると思われます。しかし、ECを導入しても取引相手がいないとどうしようもありません。企業VS企業のECに取り組むのであれば1社単独ではなく企業の枠を越えた、各業界単位での取り組み(例:電子書類の書式統一)、また業界の枠を越えたもっと大きな集まりでの取り組み(例:電子手形や電子マネーの導入等)が必要です。
県内企業へのアンケート結果を見てみると、県内の企業で現在ECを未実施の企業は、今後もECを実施する予定が無いが72%(図7)、「なぜECを行わないのか」の回答として「必要性を感じない」が25%、「社内の体制が整っていない」が27%と半数を占めています。(図8)上記(1)インフラの整備・・の中でも述べていますが、大半の県内企業が今後生き残っていくためには早急な意識改革が必要と思われます。その為には常に最新の動向、技術にアンテナをはり、それらを積極的に取り込む決断と行動力、そして情報発信、情報交換の場となる集まり(同業種、業種を越えた、)の設立、参加が不可欠です。
「なぜECを行わないのか」の回答としては上記以外に「セキュリティが不安」7%、といった回答が出ています(図8)。さらにECを行っている企業の取引内容(図9)を見てみると大半が一部の取引しか行っていません。これはECのセキュリティへの不安の為ではないでしょうか。
「ECに対する意見を述べて下さい」という自由回答の問いに対してもインフラの普及、セキュリティの確保が不可欠との意見が大半をしめており、県内企業もECの普及の為にはインフラの整備とセキュリティの確保が不可欠だと考えているようです。

最近はEC(企業VS個人)への取り組みが活発になってきました。
大分県内企業の皆様がこの社会変化の波にのまれることなくECを有効に活用しさらに発展されることを当部会員一同願っております。
大分県情報サービス産業協会
技術委員会 EC部会
部会長 時永 一生
時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
さて、当部会は大分県ソフトウェア協会の技術委員会に属し、会員各社が抱える共通の技術的問題や課題について共同研究を行っております。
当部会の本年度の研究テーマは「県内企業の電子商取引の現状と今後の動向について」となっております。近年のインターネット等の普及により、コンピュータネットワークを用いて、商取引、決済等の経済活動を行うエレクトロニック・コマース(電子商取引・EC)
実現の可能性が大きくなっています。EC導入は、企業と消費者、企業(部門)間のあらゆる局面における電子情報技術の導入を意味しており、従来の産業構造や経済構造を大きく変革し、様々な産業分野の生産性・効率性の向上を実現するとともに、
新たな市場の創出をもたらします。しかしながら、電子商取引の実現に必要不可欠な安全性の確立、共通フォーマットの確立、法的整備への取り組みが十分に行われておらず実際には電子商取引の業務への導入が困難であるのが現状です。
そこで大分県における電子商取引の現状について調査を行う事となりました。
つきましては、お忙しい中、申し訳ございませんが、添付のアンケート用紙にご回答頂けますよう宜しくお願い致します。
なお、ご回答は統計データとしてのみ利用し、個別の内容を公開する事は一切ございません。
〜ご記入に当たって〜
[EC(電子商取引)の定義について]
本調査での電子商取引とは、パソコン通信やインターネットなどの情報通信を利用して商品やサービスの情報の提供、売買の契約・販売の予約、決済のいずれかを行うものを指します。
●まず全員の方へお伺いいたします。
[1]貴社の現状について
1-1貴社の業種をお伺いいたします。
a.農林水産業 b.建設業 c.製造業 d.流通業 e.金融・証券・保険業 f.運輸・通信・倉庫・不動産
g.電力・ガス事業 h.広告・調査 i.サービス業 j.その他
1-2貴社の従業員をお伺いいたします。
a.50人未満 b.100人未満 c.200人未満 d.300人未満
e.400人未満 f.500人未満 g.500人以上
[2]電子商取引について
2-1電子商取引についてご存知ですか?
a.よく知っている b.知っている c.言葉だけは聞いたことがある d.知らない
2-2電子商取引に興味をもたれていますか?
a.非常に興味がある b.興味がある c.あまり興味が無い d.興味が無い
2-3実際に電子商取引を行っていますか?
a.行っていない b.行っている
[3]インターネットについて
3-1貴社では、インターネットをどのように利用しておられますか?
また、将来的に、インターネットをどのように利用したいと考えておられますか?
次のうち該当するものの記号(複数可)をご記入ください。
現 在( )
将 来( )
a.ホームページによる情報発信に利用 b.www等での情報収集に利用
c.電子メール等により、取引先等との連絡に利用 d.取引先等とのデータ交換に利用
e.一般消費者等からの注文の受付けに利用 f.電子決済に利用
g.その他( )
h.利用せず
技術委員会事務局 宛 電子商取引についてのアンケート2/3
●電子商取引を行っていると回答された方へお伺いいたします。
[4]電子商取引の実施について
4-1電子商取引の実施開始時期についてお答え下さい。
a.10年以上前 b.10年未満〜5年以上前 c.5年未満〜3以上年前
d.3年未満〜1以上年前 e.1年未満〜半年以上前 f.半年未満〜現在
4-2電子商取引の利用メディアについてお答え下さい。
a.商用パソコン通信 b.インターネット c.専用ネットワーク d.フロッピーディスク等
e.その他( )
4-3どのような形態の電子商取引を利用していますか?
a.本社・支店間等の社内決済 b.特定の企業との取引 c.不特定の顧客との取引
4-4電子商取引を取り入れたのはどのような目的からですか?
a.決済の迅速化 b.顧客の要望により c.試験的・実験的
d.その他( )
4-5電子商取引の実施内容についてお答えください。
a.決済以外の取引全て(発注・請求等) b.決済以外の取引の一部(発注・請求等)
c.決済まで全てを電子取引で行っている d.その他( )
4-6取引先の認証はどのように行っていますか?
○初回
a.登記簿謄本 b.信用調査機関の情報 c.届出印及び申込書 d.調査表等 e.面談 f.行っていない
g.その他( )
○2回目以降
a.パスワード・暗証番号 b.IPアドレス c.専用線 d.行っていない
e.その他( )
4-7電子商取引での、トラブルについてお答えください。
(1)トラブル防止のために行っていることをお答え下さい。
a.対策は特にしていない b.電話・電子メールなどで確認を取っている c.契約内容を書面で交付している
d.取引額を制限[ ]円までとしている e.その他( )
(2)実際におきたトラブルがあればお答えください。(○印はいくつでも)
a.トラブルは、特にない b.決済に関するトラブル c.契約に関するトラブル
d.商品引き渡しのトラブル e.商品自体に関するトラブル f.返品についてのトラブル
g.その他( )
4-8電子商取引の問題点をお答えください。
a.問題点は特にない b.情報通信基盤に関する問題 c.自社の人的資源に関する問題
d.法的な整備の問題 e.公的規制の問題 f.物流の問題 g.顧客対応の問題 h.決済手段の問題
i.海外との取引(貿易)上の問題 j.その他( )
技術委員会事務局 宛 電子商取引についてのアンケート3/3
●電子商取引を行っていないと回答された方へお伺いいたします。
[5]電子商取引の現状について
5-1現在の状況をお答え下さい。
a.かつては実施していたが、現在は中止している b.現在は実施していないが、計画中である
c.実施していないし、計画もない d.関連会社・子会社が実施している
e.その他( )
5-2電子商取引を利用しない理由をお答えください。
a.社内の体制が整っていない b.セキュリティ面で不安を感じる c.必要性を感じない
d.法的整備がなされていない e.信頼性が低い
f.その他( )
●最後に全ての方にお伺いいたします。
[6]電子商取引の将来について
6-1ここ1〜2年位はどうなると思いますか?
a.一過性のブームであり、ほとんど普及しない b.ある程度普及するが特定の分野に限られる
c.現在の通信販売に代わる無店舗販売の中心になる d.現在の通信販売を質・量とも大きく超えて普及する
e.その他( )
6-2それでは、現在から10年後位は、どうなると思いますか?
a.ほとんど普及していない b.ある程度普及するが特定の分野に限られる
c.現在の通信販売に代わる無店舗販売の中心になる d.現在の通信販売を質・量とも大きく超えて普及する
e.有店舗販売に大きく影響を与えるほど普及する
f. その他( )
[7]電子商取引についてのご意見をお聞かせください
差し障りが無ければ貴社名等もご記入願います。
貴社名:
御住所:
御電話番号:
FAX番号:
御回答者役職:
御芳名:
E-mail:
ご協力ありがとうございました。
*回答方法に沿って回答されていないものは未回答としました。
[1]1−1
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[1]1−2
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[2]2−1
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[2]2−2
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[2]2−3
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[3]3−1 現在
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[3]3−1 将来
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g.その他への回答(抜粋)
一般からのQ&Aに利用。 教育に活用。 インターネットによる入札。
[4]4−1
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[4]4−2
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[4]4−3
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[4]4−4
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[4]4−5
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d.その他への回答(抜粋)
インターネットバンキング。
[4]4−6 初回
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g.その他への回答(抜粋)
会員登録。電話確認。
[4]4−6 2回目以降
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g.その他への回答(抜粋)
初回と同じ扱い。
[4]4−7 (1)
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e.その他への回答(抜粋)
電話で確認後、着払いで決済。
[4]4−7 (2)
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[4]4−8
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[5]5−1
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[5]5−2
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[6]6−1
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e.その他への回答(抜粋)
免許制度と関係するものと思われる。
[6]6−2
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[7]への回答(抜粋)
・一般に流通するまでの準備が整っていない。
・インターネットがまだまだ普及しきれていない。
・実商品を見てからでないと不安だ。
・だまされないか不安だ。
・電子決済は悪用されると思うので今後も行わない。
・法的整備、セキュリティ面で長く時間のかかる問題があり短期間では普及しないが、近い将来大きな“キーファクタ”となると 思う。
・インフラ整備が進めば拡大していくと思う。
・セキュリティ、信用性、情報漏洩がクリアされなければ限界がある。
・パソコンのテレビ並の普及が前提。
・無店舗によるコスト削減。